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阿古屋と四畳半と君の名は。

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

3gatsu no lion #14a

 イトルをみて分かるように、今回は三本勝負です。どれも長文になってしまって内容的に削るのが難しいので。そのまま活かそうかなと。冬アニメの感想などは次回以降ですね(少しありますが)。後半は重めの記事が続きます。
 俄かに薩摩人ブームの波が来てるようですが。これもひとえに、若先生の御威光と人徳の賜物ですかね(ほのぼの寓話時代劇)。あやかりたいものです。

 

Skyfall Daniel Craig

 

 湿器としては、スチームクリーナ最強説を唱えさせて貰おうか。5分で水が沸騰するし、ブボボッと30秒も噴射すれば、たちまち乾燥した部屋が隅々まで潤う。お陰で乾いた咳が止まりもうしたわい。表面積が広いのでカーテンを湿らせておる。加湿だけならば、タンクの水は一週間もつ。重畳チェスト。

 

 

雑記

 

・3月のライオン全22話の全4巻
・3月いっぱいで終わらせて、続編は高2の春からだろう
・原作通りだと香子と後藤が零れてしまうが改変するのか(やらないか)。2クールめ終盤は島田がメイン
・後藤九段(40代妻帯者)の対極にあるのが林田教諭(30代後半独身)。弟や父の幸田柾近が鍵になると予想
・あかりは新しい婿を探した方が賢明だろうね

 

3gatsu no lion #14c

 

・電脳ウィッチアカデミア(ロッテがヤサコだった)
・オッサン幼女の面目躍如。シューゲル飛田主任が愉快
・悠木「幼女3:化け物7」。むかし似たような喩えをしたが、憑依型には通じなかったな
・総北JKタービンズ
・かやのん「一度(蛙の腹の)中に入ってみたい」

 

Youjo Senki #3a

 

・ガヤ声優が酒を飲んで騒ぐだけの動画「ガヤのみ」
・酒宴女優賞(ただしモブ)、助言男優賞
・『楽日は名演ならず』。千穐楽は大体間延びする
・落語と歌舞伎と吹替の蘊蓄で、頭がこんがらがってきた
・サブカル文化人の飯のタネが教員だとすれば、昨今の芸人は落語家なんだろう

 

emma-watson-disney-beauty-beast-movie

 

・部屋が乾燥してるときは、スチームクリーナで蒸気洗浄。ジェット加湿
・ラッピング街宣車
・富野さんこそガンダム以外でCFをやるべきなんじゃないの
・オトナアニメ映画は、中国市場に向けて製作した方が手っ取り早いかもね。ほぼ無国籍風アニメ(ニアジブリ)になってしまうが
・あるいは中国版の角川春樹映画かな
・まあ人件費が安かったから、昔は実写映画、今は3DCGアニメなんだろう

 

yoake wo tsugeru ru no uta 01

 

・マナー広告だが。足を組んで座る男性客はスマホを膝上に乗せる。液晶画面が見え難いんだろう
・骨格のせいもあるが。よく分からなかったら、テニスボールを股間に挟んでみるとよい。迷惑な乗客は殆どいないけどね(満席ではまずやらない)
・歌舞伎の豪華絢爛な衣装や、櫛で結い上げた鬘(カツラ)よりも、何でもない和服の稽古着の方が伝わる情報量がずっと多い。比べ物にならないくらい
・無形のなかに無限の変化を内包してるからか

 

Cat blanket

 

・猫の赤子好きは、ネコ科全般に通じるのだろうか?
・地に足がついてないから、人生じゃなく人牛くらいがお似合い
・Amazonカスタマーズレビュ分析(8000万件調べ)。☆5が6割、☆4が2割(上位ふたつで8割)。☆3が1割。☆2と☆1が0.5割ずつ。平均☆4.16(評価5本以上)
・クズの本懐は冴えカノと同じか、すこし上。僕街よりは少ない

 

gundam iron-blooded orphans #40a

 

・radiko タイムシフト機能、シークバーが不便。10秒戻し、30秒送りのスキップボタンか、数字入力にして欲しい。過去の天気予報と交通情報は聞かない
・映画「ラ・ラ・ランド」の日本版ポスタは別に。良くないが最悪ではない。誤解があるようだが『売れそうな映画ほど酷い目によく合う』が、平成の日本映画界の伝統(冒険主義)。特にB級以上がそうだが、マイナな作品はそれほどでもない。宣伝班が間違った方向にハッスルするからだろう
・生瀬ゴジラやスターウォーズをみると、映画ポスタの大切さや重要性が分かる。よい広告は時代を超える

 

Noriyoshi Ohrai Star Wars The Empire Strikes Back

 


Falling Apart [MEP] ・ AMV


 

◆2016年度、国内アニメ10億円超えが11本 邦画興収の4割超え
http://animationbusiness.info/archives/2010
 鉄血と熱血で興収15億円以上の好成績。ちなみに熱血と冷血篇はPG12指定。ガルパンは最終24.5億円(ラブライブは28.4億円)。

 

◆「昭和元禄落語心中」第2期平成名物TVヨタローの時代だよ
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20170113/E1484237015352.html

 

syowa genroku rakugo shinju 2nd #3a

 

◆『君の名は。』新海誠監督、米Variety誌が選ぶ“2016年に注目すべきアニメーター10人”に選出!(2016/5/8)
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1462506241
 開前から大々的に取り上げたのは、唯一このVariety誌だけだった。伝統的な手描き風のキャラクタとハイレベルな自然描写との融合、「新しいデジタル世代の旗手」という論調。先見の明があったのか。AX2016のワールドプレミア上映の二ヵ月前で、殆どリリース情報がなかった。『なんのこっちゃ』と大袈裟に思った記憶がある(ズートピアの頃か)。

 

hanging-air-plant

桜の二十四時間監視之図


 

 語心中#3感想。前期同様、演出のキレ味は健在。屋形船が橋を潜るときに、助六(与太郎)の顔に影が差す。物思いに沈みそうになるが、夜空にドカーンと花火が打ちあがると、堰を切ったように威勢のよいアンナモンニャの啖呵が飛び出してくる。静と動、暗と明だが。真打ち三代目助六の明日はどっちだ。

 

syowa genroku rakugo shinju 2nd #2d


 口先生のネタ帳の表紙には89と太書き(昭和が終わらなかった世界)。ヤクザの兄貴の再登場。息子が似てねえという言葉に食って掛かる助六。座敷には、吉切組の大親分。チンピラ時代に咎を被った因縁の相手。亭主を止める小夏、だが引かない助六。親分はぐわしと胸倉を掴むと、頭から助六を池に放り込む。親分「小夏が嫌がってんだろうが」。ちったあ頭を冷やせと大喝する。

 

syowa genroku rakugo shinju 2nd #3c


 に濡れた浴衣の裾を捲り上げると、尻をついて腕まくりした助六は、立て板に水の如き啖呵を切る。助六「後からくれたって絶対あげねえぞ!」。息子は自分の物だと大見得をきる。結局、父親は分からず仕舞い。有無や二言を言わせぬ、助六の口上だった。
 夜店の金魚を手土産に、八雲師匠と酒を酌み交わす。家族だ親子だと言われて、さらりと身を躱す。我のない助六に、居残りを覚えるように命じる八雲。先代助六(初太郎)の居残りだ。達者なものだが、あまり似ていない(芸が更新されてるからか)。つまり「齢70に手が届くような助六」だからだろう。弟子の芸風に合わせているとも思えない。

 

syowa genroku rakugo shinju 2nd #3b


 更、縁側で独り稽古をする助六。小夏「父ちゃんの落語が聞こえるよ」――小夏が愛した父親の居残りであり、我が子を愛する父親の居残りでもある。素敵なダブルミーニングだ。

 


Engineering BASIC LEE - Honneamise AMV



 ネマ歌舞伎「阿古屋(あこや)」鑑賞。素晴らしかった。稀代の名優、板東玉三郎主演。挙措のひとつが全然違う。「絵になる」役者というのは、こういうことか。歌舞伎と縁がない人、特に絵を描く人にも見て欲しい。歌舞伎界の至宝だ。
 冒頭15分は、語り・玉三郎による歌舞伎座の案内。舞台裏の探訪。稽古場、カツラ、衣裳、大道具、楽器、本番中の花道と。普段拝むことができないプロの現場、舞台を陰から支える人々の光景にカメラが入る。貴重な映像だ。頼むから、これだけでも映画とは別に公開して欲しい。

 

akoya 2016


 三郎が演じる、阿古屋は遊女であり、腹に赤子を身籠っている。逃亡した恋人・景清のために詮議を掛けられて、白州で取り調べを受ける。景清の行方は知らぬのだが、ならば身の潔白を証明せよと。代官に楽器を渡されて演奏するように命じられる。以下、公式サイトより、あらすじを抜粋。

あらすじ
平家滅亡後、鎌倉の源氏方に追われる平家の武将・景清の行方詮議のため引き立てられた、恋人阿古屋。景清の居場所を知らぬと述べる阿古屋に、代官・重忠は心に偽りがあれば演奏の音色が乱れるはずだとして、琴・三味線・胡弓の三曲を演奏させる。しかし、阿古屋は乱れの無い見事な演奏を披露し、解放されるのであった。

http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/33/

 古屋という演目は、通称琴責めとも言われる。琴、三味線、胡弓の三曲を生演奏する。それぞれが20分近い楽曲だ。女方屈指の大役であり、当世では玉三郎しか演じられるものがいない。豪華なリサイタルショーみたいなものだ。「壇浦兜軍記」三段目の阿古屋しか上演されない。
 しかも演奏の合間に、歌や踊りの芝居が入る。着飾って重たげな衣裳をつけたままだ。阿古屋のソロパートもあるが、浄瑠璃や三味線といった地方(じかた)とのセッションもこなす大盤振る舞い。
 ストレートな芝居に限れば、全体の三分の一未満だろう。見当違いな喩えかもしれないが、生で歌いながら演奏して、ピアノ、ギター、ヴァイオリンの三役をこなすようなものか。しかも遊女の阿古屋を演じながらだ。

 

見立十二支の内 未 阿古屋

 

 こまでされると景清の行方詮議など、最後にはどうでもよくなる。悪役の岩永左衛門が滑稽なのもあるが(山上たつひこの漫画だ)。歌舞音曲にうっとりして、阿古屋の伎芸や美しさを愛でるための芝居だ。裁判自体は劇的な趣向だ。「音色を聞けば真偽は分かる」なんだから、細かいことを言っても始まらない。阿古屋という女の情念に心をうたれることが肝要で、そこを目指した芝居だからだ。
 役者の世界では、板東玉三郎に優るものはいないと思う。やはり別格だ。住む世界や次元が違う。演劇人で、玉三郎の舞台を知らないのはモグリだし、正直どうかと思うくらいだ。

 

◆阿古屋 | 行ってみよう!歌舞伎へ/47NEWS
http://www.47news.jp/47topics/kabuki/201312/248413.html

 


AMV Revenge



◆Bonobo新作『Migration』商品紹介
http://www.beatink.com/Labels/Ninja-Tune/Bonobo/BRC-537/

今回のミュージック・ビデオを手がけたのは、2016年にUK Music Video Awardsの最優秀新人ディレクター賞を受賞したロンドンの若手映像監督・脚本家、オスカー・ハドソン(Oscar Hudson)。日本の社会現象「引きこもり」をモチーフに、VFXやポスト・プロダクションを一切使わない、ワンカット撮影で製作されている。(※下線は引用者による)

◆ボノボ、日本の社会現象をテーマにした最新MV公開/Billboard JAPAN
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/46499/2

<オスカー・ハドソン - コメント>
「No Reason」は、とても心を揺さぶる曲で、この仕事を受けた瞬間から、その効果を反映させた映像にする必要があると確信していた。サイモン(ボノボ)は、ツアー中に出会った風景や訪れた場所と彼自身との関係の中から、新しいアルバムのインスピレーションが生まれたと話してくれた。そのテーマについて深く考え、調べていくうちに“引きこもり”という日本の若者の間に起こる現象について知ったんだ。彼らは、日常生活のプレッシャーに圧倒され、何年も寝室に篭り、そこから出られなくなるという。僕は、これが物理的空間と心理的空間が交差する不思議な場所のように感じたんだ。独創的なセットを使って、環境と心理を直接的に結びつけた映像を作ろうと思ったんだよ。

 Bonobo「No Reason」MVの件。アニメ四畳半神話体系(2010年、再放送中)、アジカン主題歌のOPや本編#10、11に映像や設定が似過ぎていて、これが偶然の一致とは思えない。四畳半のOP絵コンテ&演出は、湯浅監督の手によるものだが。比較のために動画を貼っておく。おそらく高確率でパクリだろう。

 

◆Bonobo : No Reason (feat. Nick Murphy)

 

◆四畳半神話大系 迷子犬と雨のビート OP

 

◆The Tatami Galaxy - Episodio 10 - Sub Espanol
https://youtu.be/A6WCedETOYk?t=10m48s

 

 ニオタ歴が10年もあれば、すぐにピンと来る映像だ。ここまで似てしまうことは、常識的には考えられない。ひとつ例をだそう。
 MV監督のオスカー・ハドソンは、上述のインタビュで「日本の若者の間に起こる現象」として、ひきこもりを挙げている。だが一見して分かることだが、そのセットとして使われているのは「下宿のようなアパート」の狭いひと間だ。所謂、一般的なひきこもりが住む、家族と同居するような生活ぶりではない。

 

yojouhan shinwa taikei #11y

 

 外のアニオタ勢が、一般的にひきこもりと聞いて連想するタイトルといえば、NHKにようこそ!、神様のメモ帳、絶望先生(小森霧)になる。ひきこもりが何だか知っていれば、そちらのイメージに影響されることになる。
 はっきり言えば、「四畳半神話大系に偶然でも似てしまうことは極めて稀」だと言わざるを得ない。主人公は京大生で、ボロボロの古いアパートで独り暮らしをしてる。主人公の<私>がひきこもり状態になるのは、かなり終盤のエピソードだ。一時間も掛からないので、アニメ第10話と11話をみて確認して欲しい。
 無限に続くアパートの部屋から脱出すべく、主人公は出口を求めて、並行世界を80日間も旅する。通る部屋ごとに、微妙にデティールが違うところもMVは共通してる。カメラアングルといい、アニメ四畳半を見ていなければ、まず出てこない発想だ。かなり悪質な手合いだ。

 

yojouhan shinwa taikei

 

 ニメ四畳半神話体系は、2010年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞受賞作品、さらに第10回東京アニメアワードのテレビ部門優秀作品賞であり、その年の日本を代表するテレビアニメだ。
 湯浅監督個人も、カイバやケモノヅメ、マインド・ゲームやピンポンなど、独創的で個性的な演出方法で知られる。マニアからの支持も高い。最近だと、アドベンチャータイムで監督を務めて注目を浴びた。直近に新作映画の公開を控えている。
 若手の映像監督が、ただの偶然や知らなかったで片付けるには、些か名前が大き過ぎる。不勉強では済まされない。どうあれ不快なのは、剽窃した(?)作品に対して、ハドソン氏のコメントから敬意が何も感じられないことだ。独創的が聞いてあきれる。
 念を入れて確認したが。彼の過去の映像作品とも、今回はまるで芸風や趣向が異なっている。「No Reason」と比較したら、ずっとフィジカルなものだ。

 

yojouhan shinwa taikei #11x

 

 きこもりから「The Tatami Galaxy(英題)」である、四畳半のアパートに辿り着くのはあまり一般的ではない。アニメの世界では、他にも登場する作品があるが。そのどれにも似ていない。あるいは海外ではそのようなイメージが広まっているのか。寡聞にして聞いたこともないが。
 日本人の僕が知らなくても、イギリス人の彼が調べて容易に辿り着くことがないとは言わない。だが、この件に関しては「かなり黒に近い」。断定は控えるが、どうみても確信犯だ。湯浅監督とマッドハウスは公然と訴えてよいと思う。



Fate AMV - Eternally [AKROSS Con 2016]



 画「君の名は。」IMAX版鑑賞。4ヶ月ぶり5回目(試写会を含む)。前回はLIVE ZOUNDだったが。見るのは久し振りだったが、発見がいくつもあった。かなり重要なことにも気づいた。
 細かな点だと、三葉の級友の勅使河原(愛称:てっしー)。彼は発電所爆破事件の電波ジャックの発案者だが。私室の壁際の棚には、無線機が何段も陳列してある。所謂、無線傍受のラジオマニアなのだが。のちの活躍に応じて、序盤の早い段階で伏線を敷いてある。なかなかの逸材だ。10代で雑誌ムーを愛読する、オカルト好きのラジオマニアとは業が深い。

 

kiminonaha 10

 

 て肝心なことだが。本作の重要なアイテムである、三葉の組紐と口噛み酒についてだ。それぞれに役割が微妙に違うのだが、ちょっとした捩じれがある。
 映画の中盤。宮水の神域に辿り着いた瀧は、祠に奉納された三葉の口噛み酒を開封して、ぐいと飲み干す。不意に足を滑らせて、頭を強打して目から火花が飛ぶ。瀧は洞窟のなかに、千年前に描かれた彗星の姿を幻視する。そこからだ――
 映像が水彩画タッチに切り替わると、唐突に、細胞分裂が始まる。生物の授業でも習う受精卵だ。細胞が縦にふたつに割れ、4、8、16、32と再分裂を繰り返す。三葉の生命の始まりだ。次に時間は過ぎて、妊娠中の母親・二葉と父親の若き日の姿が蘇る。

 

kiminonaha 51

 

 こで疑問が生じる――どうして記憶でなく生命の起源なのか。三葉の記憶に受精や着床はない。受精卵にあるのは肉体のDNA情報だ。唾液から口噛み酒が造られるのだから、お神酒に保管してあるのは、三葉の肉体の情報になる。ここから急激に話は怪しくなる。

 大きな疑問はもうひとつある――どうして三葉の酒精を受けて瀧が身籠るのか? 彼女の生命を身内に採り入れるというのは、瀧が三葉を妊娠するという見方もできる。つまり少年が母親になるのか?
 いやいや考え過ぎとの異論もあるだろう。だったら、どうしてタイムトリップの最初に受精卵を入れたのか。三葉の誕生の瞬間でも良かった筈だ。本作のテーマは生命でなく、記憶や運命だ。
 あるいは三葉から遡って、過去の宮水の巫女の血脈を辿った方が、ずっと映画として分かり易いものになっただろう。イメージカットという奴だ。

 

kiminonaha 56

 

 りかえばやの古典を例に挙げるまでもなく。「男女の入れ替わり」は映画娯楽でも、もはや使い古された感がある。だが『少年から少女が産まれる物語』となれば、作劇のアブノーマルの度合いが急上昇する。
 おどかすつもりはないが。新海監督は結構なド変態なのではないか…と、性癖を勝手に深読みして疑った。その上級者の発想は流石になかった。

 

kiminonaha 35

 

 を戻そう。もうひとつのアイテム、組紐についてだ。いくつか考えられるが、組紐の正体は何だろう。時間、願い、意志、結びつき、赤いへその緒、ふたりの縁…。組紐は縁を結ぶものであり、思いを編んだものだと思う。ここではざっくりと『記憶保存機能を併せもつ異時間通信機』くらいにしておこう。
 夢の中で、瀧と三葉との間に入れ替えが起きたのは、この組紐が原因だ。だから通信手段が途絶えたのは、正確には「ティアマト彗星の衝突が原因でなく、三年前の東京で三葉が中学生の瀧に組紐を渡したから」だ。翌日にも糸守町は消滅してしまうから、結果としては同じことだが。三葉側のリンクが切れた状態なのだ。

 

kiminonaha 34

 

 タワレ時の再会も同じことで、手首に巻いた組紐を三葉に渡した瀧は、忘れないように名前を書こうとペンを渡す。日が沈むと三葉の姿はかき消えて、瀧は相手の名前が思い出せなくなっていることに愕然とする。数十秒の出来事だが、これも瀧側のリンクが切れてしまったせいだ。
 逆に組紐を髪に締めた三葉は、暫くの間だが、瀧のことを憶えている(それでも途中で忘れてしまうが)。したがって組紐は記憶喪失を一時的に防ぐ機能があるといえる。

 

kiminonaha 12

 

 こから話は更にややこしくなる。瀧が出逢った三葉は誰だったのだろうか? いや、どの三葉だったかというべきか。その解釈のひとつを選んでみよう。
 瀧と三葉の最後の入れ替わり、夢のなかでのリンクが回復したのは、組紐に口噛み酒の効果が加わったからだ。つまり、本来の入れ替わりは有線だったのを「電波ジャックしたことで」無理やり三葉に繋いでしまった
 同じ周波数の子機を胎内に取り込んだから可能になる。瀧は酒を飲んで三葉のクローンを自前で生成した。それが冒頭の細胞分裂だ。自分でもこれで筋や理屈が通っているのか、よく分からない。本編と大きく矛盾してるかもしれない。まあ原作本を読んでないので、飛ばし気味で牽強付会な面があるのは、あながち否定できない。

 

kiminonaha 50

 

 海監督に聞いてみたいのは、口噛み酒や組紐の使いみちよりも、『ド変態ですか?』という質問だ。どうせ尋ねたところで真意を理解されないし、何を言ってるんだと怪訝な顔をされるだろうが。(了)



Squid Life

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